新規顧客開拓マスターの須山です。
今日のテーマは
「戦略的マーケティングを過信していませんか!?」
です。
from:楠山
ビジネス界では、
マーケティング戦略にはたっぷりと金をかけ、
戦術より重視する傾向があります。
大学の経営学修士=MBAを持つ人が、
給料の良さとステイタスを求めて
戦略的マーケティング企画開発の仕事に押し寄せます。
たしかに羨望の的となる職業です。
しかし『ビジネスウイーク』誌が1984年に
33の主な戦略的マーケティングプランの検証をしたところ、
19は失敗に終わり、憧れの的だったプランナーの座は危機に見舞われました。
多くのマーケティング教科書が、戦略への偏重を助長しています。
考えてみれば当然な話です。
マーケティングの教科書は教授が執筆するもので、
教授は戦略を考えるほうが、戦術にかかわって
骨を折るより高尚で才能を活かすことだと考えているのですから。
しかし実際にはマーケティングで成功した会社では、
戦術を戦略と同じか、あるいはそれ以上に優先しています。
こうした会社のマーケティングでは、
まず何かをやってみてそこから学び取ります。
戦略と戦術を同時にやります。
走りながら考えるわけです。
場合により、
最初のマーケティング戦術の一手が
すべての戦術プランを変更することもアリなのです。
戦術が戦略的マーケティングをかたちづくる好例として、
アップル社のマッキントッシュを考えてみましょう。
マッキントッシュは、最初の製品だった
リサのマーケティングの延長線上に生まれたものではありません。
リサは大失敗でした。
しかしリサは市場がアップルに
何を求めているかを示してくれました。
マッキントッシュの製品マネジャーたった
ガイ・カワサキは、このパソコンが明確なマーケティング
戦略によって進化したものだと認めています。
すなわち、「準備せよ、撃て、狙え」です。(笑)
※狙ってから撃つのではありませんよ。
これは、カワサキの言葉を借用すれば
「弾を込めろ、一発食らわせろ、耳を澄ませろ、それに反応して、また撃て」
となります。
戦術は、戦略のように全体の計画を型にはめたりはしません。
むしろマーケティング戦術は全体をかたちづくり続けます。
ときによって全体のマーケティング計画の
最後だったり、最初だったり、真ん中にきたりもします。
最も大切なのは、マーケティング戦術には
「試験的な意味」「情報を収集する性質」があるということです。
反対に、戦略からマーケティングについて何かを学ぶことはできません。
戦術が市場に出て行っては情報をつかみ取ってくるのです。
もしあなたがいくつかの有意義に思える
マーケティング戦術を前にして迷っているなら
ピッタリのアドバイスがあります。
それは・・・「何でもやってみることです。」
より良いマーケティング戦略やアイデアを見つければ
見込み客が殺到すると信じる向きがあります。
しかし、ガッカリするかもしれませんが
マーケティングを実際にやってみると
そう単純ではないことが多いのです。
あなたが起業しているのならマーケティングについて
サメの法則に従う必要があります。
サメは泳ぎ続けなければ呼吸ができず、やがて死んでしまいます。
活気のある企業や個人事業のマーケティングは、いつでも活動的なものです。
静止状態にある会社は、酸素を失って死んでしまいます。
何もマーケティングしない問題のさらにまずい点は、
じっと停滞していても、ただちに痛みを感じることが滅多にないことです。
そのため企業の腰はどうしても重くなります。
「ちょっと様子を見て自分たちが正しいかどうか確認しよう。
何も問題が起きなければそれでよしさ」
となります。
マーケティングの停滞はさらなる停滞を呼びます。
こうして高みの見物を決め込んでいた報いの一つは、
行動派の社員が会社に見切りをつけて去ってしまい、
会社がさらに怠惰な体質になることです。
そして会社や組織がさらに怠惰になります。
そのあとマーケッターやコンサルタントがマーケティングでテコ入れしようと
その起業を訪れときには、ほとんどの場合、もはや修復は不可能なケースが多いのです。
「サメのように行動しよう。常に動き続けること。」
テスト、改善、テスト、改善の行動あるのみです。